基準9:社会連携・社会貢献
県民のシンクタンクである「地域政策研究センター」の地域貢献
取組み事例
「地域政策研究センター」において、岩手県内の地域団体や企業等から課題を公募し、2017(平成29)年度からは採択された課題を「課題解決プラン策定段階(ステージ1)」又は「研究成果実装段階(ステージ2)」に分類している。地域に対しては、この分類制度の認知度を高め、学内の教員等と地域課題のマッチングを促進している。これによって、例えば、災害公営住宅でのコミュニティ形成研究の成果に基づく地域課題解決への取り組みなど、大学が「県民のシンクタンク」として機能し、研究成果を地域社会へ還元するとともに、社会実装として地域へ普及していることは評価できる。
ここがポイント
- 岩手県や地域が抱える課題に対応する「地域政策研究センター」を設置している。
- センターでは、地域から公募した解決段階に応じて分類し、学内の教員と地域課題のマッチングを行ったうえで研究チームを形成して、調査研究・解決プランの策定等に向けて取り組んでいる。
- 大学が「県民のシンクタンク」として機能し、幅広いテーマの研究成果を地域社会へ還元・普及させている。
大学からのコメント
岩手県立大学は、開学以来、地域に根ざした「実学・実践」による教育・研究や地域貢献活動を推進し、「岩手県民のためのシンクタンク」として着実に成果を上げてきたが、この機能をより充実・強化し、岩手県立大学の教員がそれぞれの専門領域の知見を活用して地域が抱える諸課題に取り組み、その成果を地域に還元することを通じて地域社会の持続的な発展に寄与することを目的として、東日本大震災発災直後の平成23年4月に「地域政策研究センター」を設置した。 地域政策研究センターでは、東日本大震災からの復旧・復興を最重要課題として位置付け、研究を通じて復興を促進させる「東日本大震災からの復興加速化プロジェクト」(平成26~29年)や、地域から寄せられた課題を解決するための「方策を策定」することを目標とした地域協働研究「ステージⅠ」、社会実装を念頭に置いた「ステージⅡ(研究成果実装)」による研究を実施している。実施に際しては、岩手県内の行政や企業、NPOなどが抱える課題を公募し、教員とのマッチングを経て、課題解決に向けた研究計画を策定し、それに地域団体等と協働して取り組むものであり、具体的なアウトカムを求めた研究活動を活発に行っている。 このほか、岩手県内市町村の総合戦略策定・推進の支援を行う「地方創生支援チーム」の活動や、地方創生の推進に重要な「政策法務」を支援する「よろず法務相談室」の活動に取り組んでいる。
