基準9:社会連携・社会貢献
「文星・芸術文化地域連携センター」を中心とした芸術分野の社会連携
取組み事例
創造的自律的に行動する人間性豊かな人材の育成と社会の文化向上への寄与を実現するため、「文星・芸術文化地域連携センター」では連携先の拡大に努め、栃木県全域にわたる市町村と地域資源の発掘及びまちづくり活動の連携協力協定を締結し、これに基づき自治体・企業等からの依頼を受けて文化財の修復や商品パッケージ、ロゴマーク、キャラクター等のデザインを行うなど、大学の専門分野を生かした社会連携を展開している。また、実績を積むことで地域社会における認知度が高まるとともに、多様な連携活動へと発展しており、参画する学生のスキルアップ・キャリア教育としても機能させながら、芸術を生かした地域活性化に貢献していることは評価できる。
ここがポイント
- 「文星・芸術文化地域連携センター」を中心に、栃木県全域にわたる自治体と地域資源の発掘及びまちづくり活動の連携協力協定を締結し、自治体や企業、他大学との連携のなかで、大学の全問分野を生かした社会連携を展開している。
- 文化財の修復や商品パッケージ、ロゴマーク、キャラクター等のデザインを行うことなどにより、学生のスキルアップ・キャリア教育につながっており、芸術を生かした地域活性化だけではなく、大学が掲げる教育理念に資する取り組みとなっている。
大学からのコメント
文星芸術大学では、地域社会や地場産業との連携協力を図るため、「文星・芸術文化地域連携センター」を2008年に開設した。学生が芸術文化活動を通して県内地域社会との連携・協力を深めることにより、地域社会へ貢献することのほか、人間性豊かな人材の育成や教育研究の充実を目指している。2024年度末までで約700件の地域連携事業を実施しており、その主な事業内容は、地域貢献・まちづくり関係、自治体関係、デザイン関係となっている。文星・芸術文化地域連携センターの開設以来の活動事例の多さは、本学には社会的に有用な教育資源・芸術資源があること、社会から芸術文化による地域活性化へのニーズが高いこと、地域社会との繋がりが地域社会から認知されてきたことなどによるものと考えている。
学外組織との連携協力による教育研究の推進については、県内の16の高等教育機関等とともに「大学コンソーシアムとちぎ」を構成し、単位互換制度、グローバル人材育成プログラム、学生発表会等を通して大学間の連携を進めている。また、宇都宮市内の私立4大学(宇都宮共和大学、作新学院大学、帝京大学宇都宮キャンパス、文星芸術大学)及び宇都宮大学(協力校)のほか、宇都宮市、宇都宮商工会議所等経済界、NPO法人等の11団体によりプラットフォーム(宇都宮市創造都市研究センター)を立ち上げ、本学はその取りまとめ校として参加し、大学間連携の推進、地域における高等教育の質の向上、地域活性化、地域への就職支援、大学の在り方の検討等に取り組んでいる。地方自治体との協力協定は、栃木県内の8市3町と締結している。近年、自治体との連携も取り組み事例が増えており、芸術系大学としての潜在的パワーが社会的に認知、評価されていると考えている。
今後も芸術大学の強みを生かし、地域連携を学生自身の主体性、思考力、能動性等を引き出す「課題解決型学習」(Project Based Learning)としてカリキュラムに積極的に取り入れ、教育の質向上を図るとともに、近年以来の増えてきた文化財の修理などの地域の個性(地域資源)を活かした教育研究活動や、本格的なDX時代を迎えたことから、デジタル技術を駆使したデジタルコンテンツの制作等の活動を通して、人口減対策、地域に相応しい企業・雇用の創出、地域づくり等、社会課題の解決や地域の魅力向上に貢献していきたい。