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日本赤十字社の史料管理を通じた教育研究の促進と赤十字理念及び建学の精神の周知

私立 日本赤十字豊田看護大学

基準8:教育研究等環境

日本赤十字社の史料管理を通じた教育研究の促進と赤十字理念及び建学の精神の周知

日本赤十字豊田看護大学
種別 大学評価
年度 2024年度
区分 私立
規模(収容定員) ~4,000人
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取組み事例

「学術情報センター・図書館」内の史料室では、日本赤十字社が作成し、愛知県内の博物館が所蔵していた、明治期から大正期にかけての日本赤十字社の活動を明らかにした貴重な歴史史料を管理している。これら史料は、学内外の研究者が閲覧利用し継続的に成果論文が発表されているほか、学生が赤十字の大学で看護を学ぶことの意識付けを行うことに活用し、教育研究活動の促進が図られている。今後は、史料のデジタルアーカイブ化により、更なる利用促進が期待できる。このことは、赤十字理念及び建学の精神を学内外に広く周知する特徴的な活動として評価できる。

ここがポイント

  • 日本赤十字社が作成し、愛知県内の博物館が所蔵していた、明治期から大正期にかけての日本赤十字社の活動を明らかにした貴重な歴史史料を、2004年の大学開設時から管理している。
  • 2024年度からは、史料のデジタルアーカイブ化を開始しており、より学内外の研究への利用促進が期待できる。

大学からのコメント

本学は平成16(2004)年の開学時に、図書館内に赤十字史料室を設置した。同室には、明治・大正・昭和初期に日本赤十字社が作成した内部文書簿冊1,896冊、記録写真2,571枚、国内外書籍1,656冊が納められている。所有者は愛知県内にある博物館明治村であるが、本学が借用して大切に保管し以下のように活用している。

(学生教育への活用)
1年生を対象に行う授業科目である「赤十字総合セミナー」において、赤十字史料室のレクチャーがあり、史料室を見学し、日本赤十字社が作成した内部文書や記録写真の原本を見る機会を作っている。原本を目にすることで学生たちの目は輝き、赤十字の歴史を実感し赤十字への関心を高めている。
本科目の最終成果の発表に備えて、学生たちから寄せられる史料や書籍の問い合わせに対して、赤十字史料を担当する専任の図書館員が対応し、学生のより深い学習の手助けを行っている。

(外部の研究者への史料開示)
外部の近代史や赤十字史の研究者のために史料をマイクロフィルムで開示している。本学の史料室で保管している博愛社・日本赤十字社が作成した内部文書は約30,000タイトル(1,896冊)ある。
研究者の内訳は、学内外の大学関係者(赤十字看護大学を含む)が最も多く全体の約60%を占め、中には海外の大学院生や国内の大学の外国人研究者も含まれる。
研究者には執筆した論文や書籍等に史料を引用した場合、「博物館明治村所蔵 日本赤十字豊田看護大学保管」と明記することを依頼し、本学が管理の責任を担っていることを周知している。

(学内外への赤十字活動の周知)
図書館内や献血ルーム(献血者対象)で、赤十字史料を利用したパネル展示を行っている。具体例として、「明治~大正 赤十字看護婦(師)養成の歴史」、「三陸大津波(明治29年)と東日本大震災(平成23年)における赤十字救護活動の比較」などである。最近では、「新札の顔(渋沢栄一子爵、北里柴三郎博士、津田梅子氏)と日本赤十字社とのつながり」などを紹介している。

(史料のデジタル・アーカイブ化)
現在、所有者の博物館明治村の許可を得たうえで、マイクロフィルムからのデジタル化に取り組んでいる。将来アーカイブ化することにより、学園内の6大学の学生・院生教育に活かされ、かつ研究者、メディアなどをはじめとして学内外に赤十字の活動や歴史が広く周知されていくことを目指している。

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