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平和・キリスト教に関する専門的資料の収集・活用 ―図書館・博物館内の各種文庫を用いた教育研究活動―

私立 長崎純心大学

基準8 教育研究等環境

平和・キリスト教に関する専門的資料の収集・活用 ―図書館・博物館内の各種文庫を用いた教育研究活動―

長崎純心大学
種別 大学評価
年度 2024年度
区分 私立
規模(収容定員) ~4,000人
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取組み事例

建学の精神に基づく教育研究活動の実現に向けて、早坂記念図書館内に国内のカトリック教会の教会史を収集した「カトリック文庫」及び絵本・児童書やその研究を収集した「児童文庫」、長崎純心大学博物館内に日本におけるキリシタンに関わる歴史資料を収蔵した「キリシタン文庫」及び長崎・広島の原爆や平和活動に関する資料を収集した「磯村平和文庫」の4つの文庫を設けている。
これらの貴重資料・書籍等を用いて幼児教育や地域における授業や実習の準備学習を行っており、各授業で図書館や博物館の活用を促すことで、地域への理解や地域における大学の役割の認識を深めることにつながるなど、これらの施設が学生の主体的な学び・研究やコミュニケーションの活性化、教員の教育力・研究力・社会貢献力の向上に重要な役割を果たしていることは評価できる。

ここがポイント

  • 図書館内の「カトリック文庫」「児童文庫」で、貴重な教会史や絵本・児童書を収集するとともに、学生がこれらの資料を活用してキリスト教の理念を学んだり、実習で用いる絵本の選定や読み聞かせの練習に活用したりしている。
  • 博物館内の「キリシタン文庫」「磯村平和文庫」で、長崎に位置するキリスト教を理念とする大学の特性を生かして、キリシタン文化に係る歴史的な資料や長崎・広島の原爆・平和活動に関する資料を収集し、授業等を通じて学生が大学の所在する地域の調査を行っている。
  • 特色ある4つの文庫を学生への教育に活用することで、学生が自ら調べて議論するなど主体的な学び・研究につながっている。また、教員が教育研究に活用して社会にその成果を還元することにもつながっている。

大学からのコメント

 「カトリック文庫」「児童文庫」「キリシタン文庫」「磯村平和文庫」の4文庫は、長崎純心大学の前身である純心女子短期大学時代から設置されているものであり、その歴史は古い。
 純心女子短期大学は、1950年に、戦後の日本に短期大学制度が取り入れられ、全国で145校の短期大学が開設されたとき、日本で唯一の社会科をもつカトリック大学として発足し、翌年保育科が開設された。
 「カトリック文庫」は、明治から現代に至るまでのカトリックに関する資料(聖書学などの図書、雑誌とバックナンバー、カトリック新聞、教区報や教会等)を収蔵、「キリシタン文庫」は、16世紀から明治までの浦上四番崩れ関係資料などを中心とする日本におけるキリシタンに関する資料はもとより長崎学、ポルトガル・中国・オランダとの対外関係資料、九州地域の資料を所蔵している。
 「児童文庫」は、絵本や童話などの読み物、児童文学関係の研究資料等が収められており、宮沢賢治に関するコレクションもある。
 「磯村平和文庫」は、長崎と広島の原爆に関する資料、平和に関する資料・著作があり、長崎から世界へ核兵器の脅威を語り伝える若者、人間の生きる意味と平和の喜びを身につけて行動する若者の育成に期待して、当時の核兵器禁止平和建設国民会議から贈られた文庫である。「磯村」と冠しているのは、当時の議長 磯村英一氏から名をとっている。
 長崎純心大学早坂記念図書館及び長崎純心大学博物館での今後の取り組みとしては、2022(令和4)年度から2026(令和8)年度までの間で策定された「第4期純心女子学園中期目標・中期計画」の中に、〔項目:教育〕教育学習支援機能の充実として授業と連携した図書館運営をはかること、博物館の企画・運営の活性化、長崎の歴史・文化を学ぶ場 学芸員実習の場としての機能強化、〔項目:研究〕学内の研究成果の発信として、特色ある蔵書であるカトリック文庫の再構築、〔項目:地域貢献〕地域の歴史的資料の招集と一般利用者(学外者)への公開、地域連携と連携強化、公開講座(長崎学・キリシタン史等)の充実、〔項目:学生支援〕博物館及び図書館の利用促進・利便性の向上を挙げており、より一層の教員・学生の研究の一助となるよう、併せて地域貢献活動ができるよう更なる充実を図りたい。

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