基準9:社会連携・社会貢献
地域と連携した文化創出と発達支援による教育研究活動の社会還元
取組み事例
「アクションプラン」に大学の社会連携・社会貢献の実効性をより高めることを掲げ、大学が所在する調布市や近隣の三鷹市との連携に基づく地域貢献活動を推進している。例えば、調布市が運営する「せんがわ劇場」において、長年にわたり教員と学生が授業で作成したアニメーション映画等の作品上映や絵本の読み聞かせ等を行い、地域文化の創出に貢献している。また、子どもの発達に関する研究や相談・カウンセリング等を行う「発達臨床センター」では、大学院学生が参加して相談に応じるとともに、三鷹市教育委員会の依頼を受けて心理検査を実施するなど、子どもの発達を支援している。これらの活動により学生の成長につなげるとともに、教育研究活動の成果を社会に還元していることは評価できる。
ここがポイント
- 「アクションプラン」に大学の社会連携・社会貢献の実効性をより高める工程を明示し、キャンパスの所在地である調布市や近隣の三鷹市と継続的に連携するなど、地域のニーズに応じた貢献をしている。
- 調布市の劇場でのアニメーション映画上映等や、「発達臨床センター」での三鷹市教育委員会からの依頼による心理検査の実施など、学部学科の特性を生かして地域文化の創出や子どもの発達支援に携わっている。
- さまざまな社会貢献活動への学生の参画を通じて学生の成長を促すとともに、教育研究活動の成果を社会に還元している。
大学からのコメント
大学の中期計画である「アクションプラン」では、推進計画書で社会連携センターが一元的に連携を把握し、連携を推進している。大学所在地である調布市とは、相互友好協力協定を結び、学生ボランティアや、イベント・講座等への講師派遣や市立の学校からの職場体験の受け入れなど多岐にわたる連携を行っている。
調布市せんがわ劇場とは、2013年度より連携公演が始まり、文学部の学生によるリーディング劇、人間総合学部の学生による絵本の朗読などを行ってきた。また2022年には同劇場のクリスマス公演「ヘんゼルとグレーてる」の関連企画に参加し、準備から実施に至るまでに携わった。後述の「りすぶらん・あんふぁん」でもせんがわ劇場の協力を得て実施するものがある。また文学部の「舞台芸術実践プログラム」の授業では、せんがわ劇場について学ばせていただき、様々に連携を継続している。
本学には地域の子育て支援に貢献しつつ学生も貴重な学びの機会としている「りすぶらん・あんふぁん」と「エデュテイメント大学」の2つの取組みがある。前者は、発達心理学や幼児教育、児童文化の視点から、就学前の子どもと保護者を支援するものである。演劇を使ったゲーム、読み聞かせや歌に合わせて身体を動かすといったプログラムに参加するなかで、子どもの成長、保護者に寄り添う場となっている。後者は本学での学びの特色を生かした地域との交流の目的としたもので、幼児、児童と保護者を対象としている。遊びや運動、創作などを通して、自然、環境について考える機会を提供している。学生は、これらの活動に関わることで、自ら大学で学んだことを連携活動のなかで実践し、地域住民との交流も促進されている。
三鷹市とは、「発達臨床センター」が市からの依頼で発達検査の実施を積極的に受け入れ、2013年度から三鷹市と本学との間で委託業務の契約が締結されている。また、三鷹市の取り組みの一つである特別支援事業、中学校における巡回発達相談事業では、本学職員が巡回相談員として参加してきた。2018年度以降は本学大学院の公認心理師カリキュラムの開設により、本学大学院生の実習という形で実施する新たな契約を結び、学生が学びの実践を通して社会とつながることで知見を深めつつ、公認心理師養成機関としての職責を果たしている。
今後も地域との交流、学生の学び、本学の研究分野の特性を融合できるような社会貢献に努めていきたい。
関連サイトのURL
- 大学公式WEBサイト:社会貢献ページ
- https://www.shirayuri.ac.jp/service