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仏教研究の推進につながる研究成果の発信

私立 国際仏教学大学院大学

基準3 教育研究組織

仏教研究の推進につながる研究成果の発信

国際仏教学大学院大学
種別 大学評価
年度 2024年度
区分 私立
規模(収容定員) ~4,000人
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取組み事例

仏教研究の更なる推進という大学の理念・目的の実現のため、「国際仏教学研究所」「日本古写経研究所」を附置している。「国際仏教学研究所」では、海外の著名な研究者による講演会を開催し、国内外との学術的交流を進め、その交流に基づいて複数言語で研究成果を刊行・公開しており、国内外における第一線の研究者に寄稿を募るなどの方針により、国際的にも高い評価を得ている。「日本古写経研究所」では、国内外の筆写経典を網羅的に収集・整理する事業を継続して行っており、その成果をデータベースとして構築し、社会に広く公開している。附属図書館における刊本大蔵経とともに、研究所の有する画像資料は、図書館において一般の閲覧に供している。いずれも、所蔵資料や研究成果を広く公開、発信していることから、仏教研究の推進に有意な組織を置き、研究成果の社会への還元に取り組んでいることは評価できる。

ここがポイント

  • 附置研究所において、海外の著名な研究者を招いての講演やその研究成果の刊行・公開、収集した仏教研究資料のデータベース化などに取り組んでおり、所蔵資料や研究成果を広く公開、発信し、仏教研究の推進に寄与している。

大学からのコメント

国際仏教学研究所が実施する、海外の研究者を講師とする講演会の開催と研究書の刊行事業は、本学の母体となった旧国際仏教学研究所で行われていた活動を継承したものである。海外から毎年招聘する客員教授と客員研究員の講演会開催は通例となっており、著名な研究者が来日した機会にも随時開催している。講演会は案内状や本学ウェブサイト上で告知のうえ学外の研究者にも公開しており、貴重な研究情報交換の場となっている。講演は通常英語で行われるが、質疑応答の際には日本語通訳も可能である。研究書刊行については、候補作が現れた際に研究所運営委員会で査読者を決め、厳正な査読により刊行に相応しいものかどうかを審議する。現在までに、英語のほかドイツ語・フランス語の著作物を増補・改訂版含め80点以上刊行しており、関連分野の研究の際には参照必須となる重要な著作が多数含まれている。冊子の大半は国内外の関連研究機関・図書館・研究者に寄贈し、在庫がなくなった場合は、スキャニングして作成したPDFファイルを本学ウェブサイトで無償公開している。さらに、2018年からは『国際仏教学研究所紀要』を毎年発行し、J-STAGE等二つのサイトで公開しオープンアクセスとしている。査読を経た収録論文は英文が中心となっており世界中からPDFがダウンロードされている。
日本古写経研究所は、文部科学省の推進する私立大学学術研究高度化推進事業の一環として採択された学術フロンティア推進事業(平成17年~平成21年)「奈良平安古写経研究拠点の形成」に伴い設置された。その後同省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成22年~平成26年)や日本学術振興会の科学研究費基盤研究(A)「奈良朝勅定一切経の総合的研究」(令和2年~令和6年)などの推進母体として当該方面の研究を大きく拡げることが出来た。この間、日本古写経データベースを運用してきたが、近年は年間9,000件余のアクセスがあり、また国内外からの問い合わせも多い。日本古写経研究所では各寺院・機関に所蔵されている一切経等の経巻の調査を行うとともに年2回公開研究会を開催し、成果が日本古写経研究所紀要に反映されている。またニュースレター“いとくら”は日本古写経を中心に紹介し好評を得ている。さらに貴重な古写経を『日本古写経善本叢刊』として刊行し海外から高い評価を得ている。当研究所では、現在まで保存されてきた日本古写経のデータベースを今後も着実に運用し最新の情報を更新していくことを基本方針としている。

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