2 教育課程・学習成果、学生
「ケースプロジェクト研究」「テーマプロジェクト研究」「現代経営学演習」を通じた研究の自立性を高める段階的な学び
取組み事例
「プロジェクト方式」による科目では、まず「ケースプロジェクト研究」において教員が設定した共通のテーマによりチーム単位でケーススタディを行い、次いで「テーマプロジェクト研究」においてチームが設定したテーマに基づきケーススタディを行い、さらに「現代経営学演習」において学位論文を執筆するという流れとなっており、研究の自律性を高める段階的な学びを行っていることは、優れた工夫として評価できる(評価の視点2-3)。
ここがポイント
- 「プロジェクト方式」による科目では、まず「ケースプロジェクト研究」において教員が設定した共通のテーマによりチーム単位でケーススタディを行っている。
- 「テーマプロジェクト研究」においてチームが設定したテーマに基づきケーススタディを行っている。
- 「現代経営学演習」において学位論文を執筆している。
大学からのコメント
プロジェクト方式とは、神戸大学MBAが試行錯誤のなかで編み上げてきた体験型の総合学習です。ビジネスの現実を前に、情報の収集と分析、解釈を通じて、ヒト・モノ・カネにわたる経営の諸機能を見据えたインプリケーションを、プロジェクト管理とチームビルディングを行いながら導き出す。この総合的な体験型学習を通じて、神戸大学MBAに入学した学生たちは、経営の実践能力を高めていきます。
プロジェクト方式のねらいは、変革型リーダーに求められる基本能力の養成です。神戸大学MBAがめざしてきたのは、日々の課題への小手先の処理に終始するのではなく、時代に立ち向かう大きなシナリオを描きつつ実践につなげていく活動を、チームワークのなかで遂行できる人材の育成です。プロジェクト方式とは、無から有を生み出す知的プロセスです。自ら無知の暗闇に立ち向かい、そこに光を照らそうと葛藤する中で、アプローチから論証の仕方までを全て自分たちの頭で考え抜き、解決策を作りあげなければなりません。しかも、それを権限関係のない混成チームでおこないます。この体験は、様々な場面で役立つ技術の習得だけでなく、リーダーとしての大きな自信をもたらします。実際のプロジェクトにおいては、教授陣も指導や助言をしますが、解決の主役はあくまでも学生自身です。この主体性がなければ、企業の中核で役に立つ人材にはなれないからです。
神戸大学MBAでは、ケースプロジェクト研究、テーマプロジェクト研究、現代経営学演習の3つの授業をプロジェクト方式で行なっています。ケースプロジェクトでは、テーマ設定やチーム編成を担当教員が行い、時間のかかる助走期間を省いて一気にケースの検討に取り掛かれるようにしています。テーマプロジェクトでは、学生が自分たちでテーマを設定するとともに、そのテーマに関心のあるメンバーを集めて自主的にチームを編成します。このように、プロジェクト研究の経験を積み重ねてから最後の修士論文に取り掛かることで、研究の進め方を段階を経て学べるようになっています。
また、いずれのプロジェクトも最後に発表会の機会があり、優秀な研究には賞が与えられることになっています。これらの賞が学生たちの励みになり、高い学修成果をあげることにつながっています。
神戸大学MBAのWebサイトには、ケースプロジェクト研究、テーマプロジェクト研究、現代経営学演習の詳細シラバス、プロジェクト成果発表会のレポートなど、プロジェクト方式の授業に関わる情報が多数掲載されています。ぜひWebサイトを訪れ、その実態をご覧ください。
