2 教育の内容・方法・成果
国際通用性のある歯科医療人の育成

種別 | 歯学教育評価 |
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年度 | 2023年度 |
区分 | 国立 |
規模(収容定員) | ~4,000人 |
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取組み事例
国際化の取組みとして、「国際歯学コース」を設置して海外協定校からの長期留学生を受け入れ、講義や実習を日英二か国語で行うことで、当該歯学教育課程の学生が日常的に留学生と同じ教室で学び、異なる文化や生活習慣など多様性に触れる機会を設けていることは高く評価できる(評価の視点2-3)。
ここがポイント
- ほぼすべての専門教育科目で日英両言語による教育(dual linguistic education)を導入している。。
- 「国際歯学コース」を開設し、海外協定校の学生や私費留学生を受け入れ、2年次から5年次までの間、日本人学生と共に同じ科目を学んでいる。
大学からのコメント
広島大学歯学部では、『国際的に活躍できる歯科医療人』の育成を教育目標に掲げ、国際交流を活性化し、交流の枠を歯学部学生にも拡大することを目的とし、国際歯学コースを2012年度に開設しました。現在歯学科では、ほぼすべての専門教育科目で日本語・英語併用授業が行われています。東南アジアの姉妹校(ベトナム、インドネシア、カンボジア)から選抜された留学生が2年生から5年生の間、学部生とともに履修しています。開設当初、毎年3名の学生を奨学生として受け入れていましたが、現在では、私費留学生の受け入れも積極的に行っており、毎年7名程度の留学生が国際歯学コースを履修しています。2023年度までに35名が修了し、現在も12名の留学生が在籍しています。さらに、別枠のSS6Mプログラムにより、世界各国の留学生を受け入れています。2019年のカリキュラム改変時に併せてセメスター制からクォーター制に移行したことによりターム内での単位取得が可能となり、受け入れ時期や期間の自由度が高まりました。クラスに優秀で意欲的な留学生が編入し、同じ科目を共に学ぶことにより相互理解も進み、国際感覚が養われ、グローバルな人材の育成に貢献しています。
広島大学歯学部の国際交流協定校は、ヨーロッパ、米国を中心とした歯科先進国、アジア諸国で発展途上の国々などに約60校存在し、学部学生の相互留学を積極的に推進しています。より長期の留学を実現するために、2019年度入学生から学年進行でギャップターム(5年次第1ターム)を導入しました。2022年10月には、今後の学生の海外派遣を様々な側面からサポートするため、歯学部キャリアサポートセンターを開設し、活動を開始しました。また、国際歯科医学特論では、本学歯学部と姉妹校の講師がウェブを通して講義を配信し、本学学生が協定校(アイルランガ大学、ホーチミン市医科薬科大学、コンケン大学)の学生とともに講義を受け、各国の歯科医療について学ぶことができます。さらに、日本学生支援機構の協定派遣制度を利用して、毎年、日本人学生の海外派遣プログラムを企画し、東南アジア諸国、台湾、韓国、米国、カナダ、フランス、オーストラリア、英国等へ2週間から1か月間程度の派遣を行っています。
さらに、広島大学歯学部では、2009年より、NGOひろしま「アジアの子どもの歯を守る会」と協力して、カンボジア歯科医療支援活動を実施してきました。小児歯科学教室が中心となり、カンボジア保健省及び王立健康科学大学の協力を得ながら、歯学部生が参加できる体制を整え、多くの学びを得る機会を提供しています。