基準7:学生支援
「学修ポートフォリオ」の導入とその活用
取組み事例
2023年度以降の教育目標である「一人ひとりが、生きたいと思う人生を描き、実現する」ことに資するものとして、2022年度より「学修ポートフォリオ」を導入し、入学直後に学生自身に目標や将来像等を記入させ目標等を明確化するとともに、学期ごとに記入する成績や振り返りをもとにアカデミック・アドバイザーと面談を行うことで、早い段階で学生の不安や悩みに寄り添い助言や支援を行っている。また、これを退学者減少に向けた取り組みにつなげるなど、更なる活用によって修学支援の充実が期待できることから、評価できる。
ここがポイント
- 目標や学期ごとの学習成果を可視化することで、生きたいと思う人生を実現するために修業年限の2年間でどのように学ぶか、学生が計画を立てやすくなっている。
- 学生も教員も、学生が必要としている手助けが行き届くようになったという実感を持っている。
- 修学支援や、教育面の改善等、更なる活用が期待できる。
大学からのコメント
・自己評価等報告書の点検評価の中で、メンタルが弱い学生が増えてきたこと、休学者や退学者が毎年出ていたことに対する対策として、学生一人ひとりに沿った指導や相談体制、適正に指導していくための根拠となるデータの必要性があり、その方策の検討に着手しました。
・学内全体の学修指導等の教務業務を担当する教務委員会を中心に、学生と教員双方の過度な負担にならず(継続可能な)、限られた予算の中で、誰もが簡単に管理できる独自の学修ポートフォリオの開発に取り組みました。
・本学版の学修ポートフォリオのコンセプトは次のとおりです。
(1)プラットフォームは、誰もが使い慣れたExcelシートを使用。
(2)評価する項目を選定し少なくする。
(3)コメントの入力管理の代わりに、アドバイザー教員を指定し、面談を定期的に行う。
・入力シートは、入学時に記載する「目標と計画設定シート」、学期末ごとに記載する「自己採点シート」の2種類とし、自身の能力を15の項目別に、5段階で自己採点します。項目は、「基礎知識」「技能」「課題解決の意欲」「課題発見力」「計画力」「創造力」「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「状況把握力」「規律性」「ストレスコントロール」「主体性」「働きかけ力」「実行力」としています。入力と同時にレーダーチャートに自動変換され、可視可することで、学生が自身の成長度、特徴や今後の目標を発見しやすいようにしました。その他に、課外活動や資格取得を記載します。試行後に実施したアンケート結果から、概ね、取組みを肯定的に捉えられていたことから令和5年度から本格実施することとしました。
・今後の展望としては、学修ポートフォリオを通じた教育の充実を進めると共に、「学修ポートフォリオ」と対になる取組みとして「教員ポートフォリオ」を策定し、教員個々が自ら授業内容をPDCAしていくための指針として令和6年度から実施しています。今後、その結果を見ながら、改善していく計画としています。
