基準9:社会連携・社会貢献
異分野融合による地域活性化に向けた人材育成~健康増進・観光産業の活性化~
取組み事例
第3期中期計画において「生命科学と人文社会科学が連携し、異分野融合の実践知と創造力及び発信力を備えた人材の育成」を重点課題として掲げ、これを実現するため「ふじのくに発イノベーション推進機構」のもと、県の特産品を使った機能性食品の開発・販路開拓や食を通じた住民の健康増進に向けたデータベースやプラットフォームの開発・提供を行っている。また、県の観光事業の活性化に向けて新たに設置したツーリズム研究センターを中心に、事業者を対象とする講座や観光による地域活性化への企画を支援している。このように、学部・研究科や各教員の高い専門性を生かした地域貢献を展開し、地域のために活躍できる人材の育成に貢献することが期待できるため、高く評価できる。
ここがポイント
- 文理融合研究の推進、研究・共育の成果を社会に還元できる人材の育成、地域貢献や産学官連携の活動推進を担う「ふじのくに発イノベーション推進機構」を設立し、学内資源を生かした異分野融合で取り組む体制を設けている。
- 2020年にツーリズム研究センターを設置し、静岡県庁をはじめ県内各市町と連携して県内の観光動向の調査・研究のほか、大学・大学院と一体となって地域の観光産業の事業者に向けた講座提供を通じて専門的な知識を有する観光活性化を担う人材の育成につながっている。
- 県の特産品を使用した製品開発やデータベースの提供に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大流行によって落ち込んでいた県の観光事業の活性化に取り組み、公立大学として住民の健康増進・県産業の活性化に取り組んでいる。
大学からのコメント
・ふじのくに発イノベーション推進機構を中核として、2019年度より静岡県と連携して「健康食イノベーション推進事業」(2022年度より「フーズ・ヘルスケアプロジェクト推進事業」)に取り組んでいます。この事業では、静岡県特産の食品の機能性を評価してデータベースを構築する「機能性開発プラットフォームの構築」、地域住民の主体的なセルフケアの意識と技術を向上させる「データヘルス・リビングラボの構築」、新たな健康食産業を先導する「専門人材の育成」を実施しており、2020年度に機能性食品に係るデータベースを公開したほか、人材育成の一環として、社会人の学び直しと学生のアクティブラーニングを一体化した教育プログラムを設計し、2021年度には「健康と食」や「ITとデータの科学」など6科目を実施しました。
・ツーリズム研究センターでは、静岡県賀茂地域1市5町(下田市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町)との包括連携協定に基づき、観光事業者等を対象とした社会人講座、高校生のための観光講座、学生・高校生を対象としたワークショップや意見交換会などを実施し、それ以外の地域でも、観光についての政策提言や、観光資源開発などの取組を行っています。
関連サイトのURL
- 健康食イノベーション推進事業(フーズ・ヘルスケアプロジェクト推進事業)
- https://www.livinglabs-shizuoka.jp/business/date/rivi02/
- ツーリズム研究センター
- http://trc.u-shizuoka-ken.ac.jp/