基準9:社会連携・社会貢献
地域との共生や連携による「むすぶ人」の育成と地域への貢献
取組み事例
「町家 学びテラス・西陣」は、地域との共生や連携を推進し、西陣が大切にしてきた伝統や文化を守りながら、西陣というブランドに新たな価値を産み出す拠点として機能しており、取り組みの結果、新規事業につながるなどの成果も見られ、大学名に由来する「むすびわざ」の精神を具現化している。また、地域、企業、学生が集い、多様な学び場として利活用されており、学生に「むすびわざ」の精神を体感する場を提供するものであり、社会連携・社会貢献に関する取り組みとして評価できる。
ここがポイント
- 伝統的な町家を活用した交流拠点である「町家 学びテラス・西陣」を整備し、生涯学習の場として活用するだけでなく、学生が住民、企業と交流し、伝統と新たな価値を調和した地域のあり方について考え、発信する場となっている。
- 「町家 学びテラス・西陣」での起業家との交流や地域の課題を考え、発信する機会が学生の発想を促し、「町家 学びテラス・西陣」を拠点とした起業につながるプロジェクトが立ち上がるなど、「むすぶ人」の育成に向けた成果があがっている。
大学からのコメント
創設者(学祖)で宇宙物理学者の荒木俊馬は、「建学の精神」において、「将来の社会を担って立つ人材の育成」が本学の使命であることを掲げました。2015(平成27)年の創立50周年には、大学名の「産業」を、本学独自の考えに由来して、新しい業(わざ)をむすび、新しいものを産み出す「むすびわざ」と読み解き、あるべき大学像「むすんで、うみだす。」、育成すべき学生像「むすぶ人」をスローガンとして掲げました。
この「むすびわざ」の考えに則り、京都市・西陣地区に設置する学外施設「町家 学びテラス・西陣」は、本学の教職員と学生の活動拠点に留まらない、「むすんで、うみだす。」拠点となっています。毎週水曜日は一般の方も利用可能な「町家オープンデイ」が開かれ、1階大広間には本学学生や教職員のほか、他大学の学生や教員、地元自治体職員、起業家等が幅広く出入りし、学内では得られない視点や刺激を与えあう交流の場となっています。2階はレンタルオフィスとして一般起業家に貸し出しを行っています。また、オンラインを活用した交流の場として、「町家オープンカレッジ」を定期的に開催しており、本学学生のみならず、京都市をはじめとする様々な地域の方、本学卒業生、他大学の学生等が話題提供者として登壇し、地域創生等の多様な活動に触れながら、幅広い社会の人々が学び方や働き方について活発な意見交換を行っています。オンラインでの実施であるため、中には、京都市への移住を視野に遠方から参加する方もいらっしゃいます。
「テラス」の名には、本学の内と外を緩やかにむすび、町家における斬新な諸活動により新しい価値をうみだし、世の中を明るく“照らす”意味を込めており、大学像にも則った特色ある活動を行っています。この拠点を中心に、大学像「むすんで、うみだす。」の実践として、学生や教員が社会に赴き、地域の人々との交流を通じて、本学ならではと言える社会連携を推し進めていきます。