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きめ細かな修学指導の実施

国立 鹿児島大学 歯学部歯学科

きめ細かな修学指導の実施

鹿児島大学 歯学部歯学科
種別 歯学教育評価
年度 2022年度
区分 国立
規模(収容定員) ~4,000人
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取組み事例

GPAを活用して学生の総合的な学修到達度の評価が行われており、半期に一度、当該期のGPAが1.5未満の学生を抽出し、結果を本人へ開示するとともに、学年担任による個別指導(面談)が行われていることに加え、GPAが1.5を越えていても科目によって成績が十分ではないと認められた学生に対しても個別面談が行われており、きめ細かな修学指導が実施されていることは評価できる(評価の視点2-6)。

ここがポイント

  • 定期的に成績状況に合わせた個別指導や個別面談による修学指導を行っている。

大学からのコメント

導入の経緯:鹿大歯学部では入学時の新入生オリエンテーションにて学習成果基盤型教育(OBE)について詳細な説明を行い、多くの学生は自ら主体的に6年間の学修を進めている。しかし、どの学年においても、学修習慣を確立できずに成績が低迷してしまう学生がいる。さらにそのような学生は自ら解決する意欲・能力が低い上に、家族、友人、教員に積極的に相談する姿勢を持たない傾向にある。そこで、支援の必要な学生はその兆候が成績に現れることから、GPAが低い(1.5未満)学生を抽出して担任と面談する機会を設けることを企画した。 学生の立場では「教員に呼び出される」ことは何か悪いことをしたような意識を持つことがあるかもしれないが、面談の目的は決して叱責や懲戒的なものではなく、学生の置かれた状況や考えていること悩みなどを傾聴し、教員は学生の応援者であることを認識させ、一緒に今後の在り方を考えることである。教員が一人ひとりに合わせた直接的な質問をすることができるため、学生の抱えている問題点(能力、モチベーションに関するものが多い)を把握しやすく、解決に導ける可能性が高まる。 補足事項:個別面談によって教員との距離が縮まり、その後も積極的に相談に訪れるようになり、閉じこもりがちだった気持ちが上向きになりよい学修状況に繋がった例がある一方で、学生一人ひとりの意向に沿ったアドバイスの結果、転部や退学に至ったケースもある。 歯学部として実施する専門科目の成績に基づいた個別面談は2年次以降であるが、1年次に履修する共通教育科目を扱う共通教育センターでも同様の要項を有し、成績不振者の情報が歯学部に提供されるので、状況に応じて1年次から個別面談を実施している。 今後の展望:歯学部は「歯科医師になる」という目標があり、ゴール(コンピテンス)は明確であるため、進路や就職に関する相談が多い学部に比べると、教員は学生と同じ方向を目指して、道を示したり激励したり(Push & Pull)比較的指導がしやすい。しかしながら、明確なゴールへ進む意欲が極めて低い学生もおり、何度となく個別面談を繰り返しても改善がみられないケースもある。そのような学生にいかにして行動変容を起こさせるかが今後の課題である。