基準7:学生支援
「ものづくりセンター」における「全人教育」の一環としての学生支援

種別 | 大学評価 |
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年度 | 2022年度 |
区分 | 私立 |
規模(収容定員) | 8,001人~ |
関連タグ |
取組み事例
全学の教育及び研究を支援する「ものづくりセンター」で実施している5つの学生プロジェクト(ソーラーボート、エコラン、インテリアデザイン、ロボコン、プログラミング)では、外部の競技会への参加を目標として、教育技術職員の支援を受けつつ、学生が自主的にプロジェクトを企画し、さらにものづくりに必要なツールを駆使して、設計から製造・テストまでのものづくりの全過程を担っている。 従来は工学部の学生による活動が主であったが、プログラミングのプロジェクトを加えることで、文系学部の学生の参加を促進し、全学的な取り組みへと発展しており、ものづくりを通じたデザイン力、構想力及び学生の自主性・論理的思考等の実践力の育成を図っており、教育研究の理念や建学の精神に基づいた「全人教育」の一環としての学生支援における優れた取り組みとして評価できる。
ここがポイント
- 「ものづくりセンター」において各種学生プロジェクトを展開し、参加する学生を募って学外での競技会への参加に向けて自主的に取り組むことで技術力の向上のみならず、学生のデザイン力、構想力のほか、自主性や論理的思考等の育成を図っている。
- 従来は工学部の学生が主な参加者であったが、新たなプロジェクトとしてプログラミングを加えることで、文系学部の学生の参加を促進し、全学的な取り組みへと発展している。
- 福岡大学が掲げる建学の精神に基づいた「全人教育」において、「人材教育(specialist)」と「人間教育(generalist)」の共存に取り組んでおり、上記の活動は学生支援における優れた取り組みといえる。
大学からのコメント
総合大学の特徴を活かした文理融合型の新しい創造活動の場として、2018(H30)年にものづくりセンターを設置しました。広いスペースに3Dプリンター、レーザー加工機、NC工作機器、各種工具、素材、パーツを取り揃えた充実した施設となっています。コロナ禍においては、社会全体で不足していたフェイスシールドやパーティションを製作し、県内の400以上の医療機関あるいは聴覚特別支援学校等へ無償提供するなど、社会貢献活動にも取り組んできました。 同センターは、文系・理系あるいは学生・教職員の区別なく利用できる多様性に満ちた交流の場となっており、木工、金属加工、電気・電子回路、プログラミングを専門とする専任の技術職員の細かな指導を誰でも受けることができるため、初心者でも安心して利用できます。また、同センターは、ものづくりの基本知識、技術講習、安全に関する講習会を頻繁に主催し、いつも盛況です。さらに、クラフトワーク、ロボット、プログラミング、3Dデザイン等をテーマとした全学規模の学生プロジェクト活動の企画・支援のほか、入門用として趣味の講座(アクセサリー製作、レザークラフト、服飾デザイン)の開催や研究用の試験体の加工や装置の開発・製作の補助など幅広く対応しています。 そのほか、文理融合型の課題解決型学習教育に適した施設として、ものづくりの実体験に基づいた高い知識と技術力を備えた人材や異分野の学生との協働的創作活動を通じて、発想力、デザイン力、構想力および実践力を有する人材の育成、会社オーナー等の起業経験者を講師に迎えた講演会や製品開発実習を通じたアントレプレナーシップ教育にも力をいれています。また、一部の文系学部では、同センターを利用した専門教育科目を設置するなど、活用の幅が広がっています。 総合大学において「ものづくり」を体験できるという本学の特徴を活かし、福岡大学は、教育の質的転換と新しい教育システムの開発でチャレンジを続けています。今後は、「ものづくり」の範疇を美術や音楽等のアートワークまで拡張し、新時代に合った柔軟でバランスのとれた感性豊かな学生を育てる全人教育の可能性を探っていきます。
