段階的・継続的なコミュニケーション教育の実施
段階的・継続的なコミュニケーション教育の実施
歯学教育評価
2025年
~4,000人
取組み事例
建学の精神である「歯科医師たる前に人間たれ」を基盤としたダイアゴナル・カリキュラムに基づく6年一貫教育によって、各年次においてレベルに応じた段階的・継続的なコミュニケーション教育を推進することで、歯科医師としての知識・技能に加え、医療人としての高い倫理観や人間性・協調性の醸成を目指した教育課程の編成を行っている点は特色として評価できる(評価の視点2-3)。
ここがポイント
- ・ダイアゴナル・カリキュラムによって複数年次に渡り段階的・継続的にコミュニケーション教育を行っている。
- ・知識や技術だけでなく、高い倫理観や人間性・協調性に優れた歯科医師の養成を図っている。
- ・臨床で活用できるコミュニケーション教育を行っている。
大学からのコメント
東京歯科大学では、建学の精神「歯科医師たる前に人間たれ」に基づき、高い倫理観と豊かな人間性、協調性を備えた歯科医師を養成するため、「ダイアゴナル・カリキュラム」による段階的・継続的なコミュニケーション教育を展開しています。
1. 学年に応じた段階的・漸増的な教育課程
短期集中型では修得が難しいという考えから、第2学年を除く全学年において、時期とレベルに応じた教育を漸増的に実施しています。
第1学年: 「病院見学・歯学生の倫理」を通じ、医療人としての適切な態度や身だしなみを理解し、歯科医師への意欲と治療的自我の獲得を図ります。
第3学年: カウンセリング技法等の知識・技能を修得し、ロールプレイを通じて患者接遇能力を養成します。
第4学年: アドバンスコースとして「医療面接シミュレーション実習」を実施。8名程度の小グループに教員やTAを配置し、きめ細かなフィードバックを行います。
第5・6学年: 診療参加型臨床実習を通じて、実際の患者と接しながら医療人としての態度を定着させます。
2. 臨床現場に即した実践的な教育手法
臨床で即戦力となるスキルの養成を重視し、講義と実習を立体的に組み合わせています。最大の特徴は、本学独自の「Patient Community (P-Com)」の活用です。歯科医学教育に賛同する実際の患者や地域住民(2025年度末時点で36名)が実習に参加し、学生は模擬患者ではない「本物の患者」から直接フィードバックを受けることで、極めて実践的な経験を積むことができます。また、医療倫理学と組合せ、PBLやSGD、プレゼンテーションを導入し、能動的な学修習慣と協調性を養います。
3. ポートフォリオによる内省と評価の確立
学生は6年間の講義・実習の記録や自己評価、他者からのフィードバックを「6年間一貫したポートフォリオ」としてまとめ、自身の成長を恒常的に確認します。態度の評価は、低学年次からの観察記録と高学年次の臨床実習評価を軸に多面的に行われ、卒業時には高いコミュニケーション能力が保証される仕組みとなっています。
このように、長期間にわたり理論・実践・内省を繰り返すことで、患者の心に寄り添い、多職種とも円滑に連携できる歯科医師を育成しています。