自閉症支援の普及と教育
取組み事例
発達障がい児(者)及びその親や教育機関を支援・教育するための「TEACCH普及活動」を、2004(平成16)年に米国のノースカロライナ大学と提携関係を結んで以来、これまで継続して実施している。その研究成果や支援方法を社会に還元するための「自閉症特別講座」「レベルアップセミナー」「トピックセミナー」といったプログラムは、昨年より遠隔での開催としたことにより、受講者数や遠隔地からの参加が増加するなどの広がりを示している。また、発達障がいの傾向を持つ学生への関わり方について、「TEACCH普及活動」に関与する教員がFD・SD研修会の講師を担当して学内への浸透を図るとともに、他の教員と連携してサポートやフォローに当たっている。2022(令和4)年度には基礎教育科目に「自閉症の理解と支援」が組み込まれることになっており、学内の教育活動への還元もより一層充実させていることは評価できる。
ここがポイント
- ・自閉症支援者養成のために自閉症特別講座を展開し、全国から参加者が集まっている。
- ・これまで行ってきた自閉症支援の研究成果をコンサルテーションという形で学外に広げるだけでなく、研修や授業を通して学内にも還元して自閉症理解を促している。
大学からのコメント
■自閉症特別講座
日本で、まだ多くの人が自閉症の人への対応を試行錯誤していた時代に、優れた支援モデルとして米国ノースカロライナ大学の「TEACCH」の考え方を地域に広く啓発することを目的に、故佐々木正美先生のご尽力により2002(平成14)年からスタート。いち早くノースカロライナ大学と提携し、自閉症支援の最先端の内容を講義として提供してきた。現在でも変わらず、講義に併せて日本全国の優れた自閉症支援実践家たちの実践報告から学ぶ場にもなっている。
■レベルアップセミナー
地域の実践者のための、自らの自閉症支援のスキルアップを目標としたセミナー。実践している内容をもちより、グループワークを通して参加者自らお互いに学び合う機会となっている。2022(令和4)年度は年9回、WEB開催の方向で検討している。
■トピックセミナー
年1回、自閉症に関連するタイムリーな話題を選び、それに関する講義やシンポジウム、演習形式で実施するもの。毎回全国各地から300名をこえる多くの人を集めている。ちなみに、ここ数年のテーマは2015(平成27)年度「豊かな成人期のために」、2016(平成28)年度「ほんものの支援とは」、2017(平成29)年度「アセスメントから実際の療育・教育・支援へ、そして家庭生活へ」、2018(平成30)年度「より良い連携の在り方を探る」、2020(令和2)年度「ASDをめぐるTEACCHとその関連領域」(WEB開催)、2021(令和3)年度「再考、強度行動障害」(WEB開催)となっている。
上記の講座・セミナーは数年前よりWEB開催を基本にしてきたことで、日本国内さまざまな地域からの参加者を集めている。今後も継続していく予定である。
■自閉症啓発活動
大学・大学院の学生ボランティアを募って、毎年4月2日の「世界自閉症啓発デー」に向けて自閉症啓発の色でもあるブルーリボンの作成を実施している。作成されたブルーリボンは全学科教員および大学職員に配布され、おりしも大学の入学式が4月2日でもあり、学長も毎年着用している。