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医学教育に資する新たな学習効果評価指標の独自開発

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医学教育に資する新たな学習効果評価指標の独自開発
私立
東京女子医科大学
基準4:教育課程・学習成果

医学教育に資する新たな学習効果評価指標の独自開発

東京女子医科大学
種別

大学評価

年度

2021年

規模(収容定員)

~4,000人

取組み事例

医学部において、臨床推論能力の学習効果を判定する材料として独自に開発・導入したScript Concordance Test(SCT)や、臨床推論に関する講義・実習(診療の基礎)の成果評価に通常の筆記試験を加えたProblem-Solving Ability Test(P-SAT)といった学習効果の新しい評価指標開発を独自に進めている。また、この結果を「統合教育学修センター」のIRチームが多角的な分析を行い、更に教育で生かそうとする取り組みを行っていることは、教育改善に資するものとして評価できる。

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ここがポイント

  • ・臨床推論能力の学習効果判定のための新しい評価指標開発を、大学独自に進めている。
  • ・学習効果の評価指標から得た結果を「統合教育学修センター」のIRチームが多角的に分析し、更に教育改善に生かそうとしている。

大学からのコメント

臨床推論能力の卒前教育技法の確立には、有用な評価法の確立が必須となる。本学では2010年度に、多数の専門家からの回答結果から重み付けをした配点で医学的知識をいかに統合し活用するかを測定するscript concordance test (SCT)および、本学で開発した臨床問題解決能力試験problem-solving ability test(P-SAT)を導入した(関連サイト参照)。本学カリキュラムにおける臨床推論能力開発を目指したTeam-based learning(TBL)、入門型臨床実習、診療の基礎、診療参加型臨床実習において臨床推論能力の学修効果を判定する材料としている。
まず、SCTの有用性を検討するため、SCTと他の試験成績を比較し、さらに臨床経験とSCTの関連を評価した。結果として、臨床推論TBLの前後ではSCTの明らかな変化は認めなかった。科目試験、CBT、OSCE、P-SATはSCTとの相関は認めなかった。また、SCTは4年生と5年生の間に差はなかったが、学生と専門家の間に有意差を認め、専門家経験年数別でも一部で差を認めた。4年生と比し6年生は有意に高く、6年生と比し内科医は有意に高かった。5年生の外来実習前後のSCTは上昇したが、有意差は認めなかった。結論として、SCTで測定する能力は、従来の学識および問題解決能力を測定する能力とは異なり、臨床経験により上昇することから、より実践的な能力を測定していることが考えられた。
次にP-SAT成績を解析しカリキュラムにおける臨床推論学修効果を評価した。①臨床推論に関する講義・実習の成果評価:P-SATと入門型臨床実習および診療の基礎は中等度相関を認め、入門型臨床実習導入、TBL課題増加年度である2020年度と過去2年の比較では、有意に上昇した。これらの科目の導入、改善は臨床推論能力修得に効果があることが示唆された。②診療参加型臨床実習とP-SATとの比較:診療参加型臨床実習では臨床現場で臨床推論を実践できる。臨床実習前の臨床推論能力を測るP-SATと臨床実習後OSCE臨床推論得点の間には弱い相関を認めた。
今後の展望として、診療参加型臨床実習の改善により能動的な診療実践に対する形成的評価を得る機会が増えているため臨床推論能力の更なる向上が期待できる。今後、パラメータを検討し継続した解析を行う。

関連サイト・資料