学生スタッフを活用した教育支援体制の構築
学生スタッフを活用した教育支援体制の構築
大学評価
2018年
8,001人~
取組み事例
教育支援を目的とする学生スタッフとしてSA、TA、LAを全学的に登用している。なかでもLAは、当該科目の受講経験がある学部学生が、共通教養科目「スタディスキルゼミ」などの演習型の初年次教育科目において、ディスカッションの方法などを教えるファシリテーターの役割を担っている。身近な上位年次学生からの支援により、受講生は大学生としての学び方や学ぶ姿勢を体得することが期待でき、LAは受講経験に基づく学習支援により、自らの学習を客観的に捉え、学習の深化と自信の涵養につながっており、これらの経験が「考動力コンピテンシー」の伸長に寄与している。さらに、学生スタッフに対する研修や、授業における活用事例集の発行など、組織的な取組みがみられ、学生の教育力を活用した教育の質的向上を図る取組みとして評価できる。
ここがポイント
- ・教育支援を目的として、学生をSA(Student Assistant)、TA(Teaching Assistant)、LA(Learning Assistant)として全学的に登用することで、支援を受ける学生は学び方や学ぶ姿勢等を習得でき、支援する学生は学習の深化と自信の涵養につながっており、教育の質的向上を図る取組みとなっている。
大学からのコメント
本学では、授業の内外において教育補助者としての役割を担う学生スタッフが多く存在しており、このような学生スタッフを「学部生・院生の教育力」として捉え、活用してきた。
例えば、授業支援 SAは活動範囲が全学にまたがっており、学内における認知度も高い。授業支援 SA は授業準備の支援、学生の出欠管理・提出物管理による教員負担軽減等、授業インフラの整備業務に特化することが「ガイドライン」という形で全学に認知されている。また、研修・育成体制を確立している。次に、LA は主に全学共通教養科目で活躍しており、授業内の学習者支援の役割を担うとともに、初年次学生の学習モデルの参考となっている。さらに、毎回の授業後には、LAによるリフレクションペーパーを介した担任者及びLA同士の振り返りが行われ、次回の授業に向けて学習者やクラス全体の運営の検討が行われる。
一方、TAは教育効果を高めることを目的として、担任者の教育業務を補助し、教育力を高める役割を果たしている。それと同時に、TAの業務は将来、教育・研究者等になるためのトレーニング機会として、学生自身のキャリア形成の場として位置づけられている。
いずれの学生スタッフも、教育開発支援センターが中心に研修や制度設計を行っており、全学的な制度として運用されている。その中で得られた知見はFDを推進するための事例となったり、教学IRプロジェクトと連携して「考動力コンピテンシー」の伸びを確認したりして、大学の教育力向上と学生の成長の両面を促す仕組みづくりに生かされている。
これらの取組は、2005年より始まった「試行的なTAの利用」が起点となっている。2005年春学期当初は16クラスでのTA活用から始まり、2006年秋学期からは全学的な授業支援SAの導入、2009年からアクティブラーニングの展開からLAを活用した授業がスタートした。その後、取組を重ね、全学的な展開、評価方法、それぞれの学生スタッフに求められる資質・能力、研修制度の具体化といった課題を検討し、予算化、ガイドラインの策定などの事務的な要素も組み上げながら、今日のような制度が確立した。
今後は、新たに大学として推進する遠隔授業への対応が喫緊の課題となっている。遠隔授業に対して、学生の教育力をどのように生かし、学びの充実度を上げるのか、学生スタッフの成長実感を高めるのかといったことを検討し、制度設計を行いたい。